スマートフォンなどが発する電波(Wi-Fiと4G/LTE)を活用した混雑状況モニタリング
1 研究概要・背景
新型コロナウイルスの影響により、「3密を避けた行動」が求められている中で、エリアの混雑状況を把握することは重要である。
今回の実証実験では、対象エリアの混雑状況をより細かく把握し、かつ分かりやすく提示することを目的に、電波を活用する人流解析を行うとともに、3D都市モデル上で公共空間の混雑状況を一般に提供することを試みた。
対象エリアは北九州市の小倉地区(小倉駅前)・東田地区(スペースワールド駅前)の2か所とし、異なる2種類の電波(Wi-Fiと4G/LTE)からから混雑状況を推定する技術を同時に導入した。具体的には、スマートフォン等の携帯端末が利用する異なる2種類の電波(Wi-Fiと4G/LTE)に着目し、Wi-Fi機能の利用時の電波を受信・解析する機器(Wi-Fiパケットセンサ)を活用した技術による人流解析と、4G/LTE機能利用時の電界強度分布を解析する技術による人流解析を併用した。
混雑状況の推定手法や時間分解能が異なる技術を同一エリアで同時に導入するとともに、異なる技術による人流解析結果を同一の3D都市モデル上で重ね合わせることで、人流解析結果の特徴や各技術の課題を明確にすることを目指した。また、取得した人流解析結果を対象エリアの混雑度として3D都市モデル上で可視化する手法を検討することを通じて、3D都市モデルの整備が混雑回避と賑わい創出の両立に寄与する「現実とサイバー空間の高度な連携」の実例となることも目指した。
3 実証環境
今回、実証対象とした都市環境
- 商業地やオフィス街周辺に鉄道駅やバスターミナル等があること
- 通行人の属性分布が単一でないこと(老若男女、社会人、学生等の分布があること)
- 20m*20m以上の広場や立体構造の測定空間が確保できること
- 数10人から数100人程度の通行人の規模があること
実証都市、地域
- 北九州市の小倉駅周辺
- 北九州市の東田地区
4 実証結果
小倉駅での実験の様子
東田地区での実験の様子
小倉駅での実証結果
2021年2月19日午前6時から12時までのJR小倉駅南側における滞留人数推定結果1階のバス停付近と2Fのペデストリアンデッキを分離して測定できている